いまだ終息の目途がつかない新型コロナウイルス。感染が再拡大している状況の中、各医療機関は人々の健康を守るために、様々なウイルス対策を行いながら医療インフラを支えています。
今回、東京都・板橋区にある「医療法人財団 朔望会 常盤台外科病院」にフューチャースタンダードが提供する"AI検温パスポート"が導入されました。常盤台外科病院は地域のクリニックと大学病院を繋ぐ役割も担っており、地域の方々の”かかりつけ医”としての診察や治療、CTなどの検査も実施しています。
感染が再拡大している状況を鑑み、2021年は発熱者の受け入れが増えると予想し導入が決定されました。大学病院の紹介患者や地域のクリニックからの患者を受け入れている常盤台外科病院ならではの“AI検温パスポート”の活用方法について伺いました。
【医療法人財団 朔望会 常盤台外科病院】
・ 1日の来館者数:170〜200名
・ 病床:99床
・ AI検温パスポート台数:1台
・ 設置場所:病院入口付近
・ スタッフ配置:午前中のみ1人配置、今後は無人化の予定
・ 導入時期:2020年12月4日
− 新型コロナウイルス対策について教えてください。
スタッフは出勤前に検温と勤務時ポケットアルコールの携帯を義務づけています。患者さまには抗原検査を実施しており、館内の手すりやカウンターなどは1日に数回アルコールにて除菌を実施、地域包括ケアの枠組みとしてリモートにて定期的に連携会議を実施しています。
− “AI検温パスポート”導入前の検温体制や課題について教えてください。
従来は、2〜3時間の交代制で入口にて医療課のスタッフ1名張り付きで配置していました。マスクはもちろん、ガウンやシールドを着用した状態で手動検温後、体温を付箋に記入して来院者に手渡していました。通常業務が滞る上、さらに発熱患者の対応や動線、スタッフの感染不安にも頭を悩ませました。
− “AI検温パスポート“導入の目的を教えてください。
検温の完全無人化で業務の効率化を図ると共に、スタッフの不安も取り除くことです。
− “AI検温パスポート“の利用方法について教えてください。
入口に設置し、患者自身でプリントアウトされた検温結果を受付に持参いただいています。受診受付時に回収し、院内のカルテに挟み込んで医師や看護師がチェックできるようにしています。
− “AI検温パスポート“導入して良かった点について教えてください。
無人化できる目処が立ち、当初の課題の解決が可能になりました。
今後、検温後に発熱者は直接別棟に案内し、発熱していない患者と動線を分けるようにしますが、今後は今までよりも発熱している患者を受け入れる可能性があるので、無人化よりも体制強化を重視し人の配置が必要になることも考えられます。
その場合でも、非接触で検温できる“AI検温パスポート”はメリットが大きいと考えています。
実は、顔写真の印刷機能は不必要と考えていましたが、実際に使ってみると付き添いの方と見分けることができ、患者の取り違えなども起こらないので、便利な機能でした。
− 来院者やスタッフの反応を教えてください。
スタッフを配置していた時から無人の時間帯が出来た時に「なぜ人がいないの?」と聞かれたことはありますが、来院者からはネガティブな方はあまり見受けられず、好反応が多いです。感染の不安を感じていたスタッフからは好評で「病院もスタッフのことを考えてくれているんだ」と思って貰えているようで、良かったです。