利用した
プロダクト
店舗前の交通量や入店率、ウインドウディスプレイの視認数などをカメラによる映像解析で測定できるIoTソリューション「esasy」。そのベースとなっているのがSCORERです。esasyを提供する株式会社クレストは、なぜ同プロダクトのコアとなる映像解析プラットフォームにSCORERを採用したのでしょうか。リテールテック・ディビジョン ゼネラル・マネージャーの阪本治彦様に伺いました。
小売店にイノベーションをもたらすIoTソリューション「esasy」とは
――クレスト様の事業のなかでSCORERをどのようにお使いいただいているのでしょうか。
阪本:まず当社の事業について説明させてください。当社はもともと看板屋として昭和58年に創業した会社です。しかし、看板業界はレガシーなマーケットであり、どんどんデジタルディスプレイに取って代わられています。現状のままでは先のない、いわば斜陽産業と言えます。
そこで当社では、2016年に代表取締役社長に就任した永井俊輔の指揮のもと、改革に取り組みました。「レガシーマーケットイノベーション」をスローガンに、営業効率を上げて生産性を高め、さらにデジタルを取り入れて事業を拡大してきました。
その軸となるプロダクトがIoTソリューション「esasy」です。SCORERはこのesasyのベースとして活用させていただいております。
――「esasy」とはどのようなプロダクトでしょうか。
阪本:当社が展開する3つの事業のうち、サイン&ディスプレイ事業とインナチュラル事業の間を取り持つ、リテールテック事業領域で提供しているプロダクトです。小型のカメラをサイネージや看板、ウインドウディスプレイなどに設置することで、店前を通る人のうちどれくらいが実際に入店してくれたのか、ウインドウディスプレイを何秒眺めてくれたのかなどのデータを集計・分析できるサービスです。これにより、看板やディスプレイの効果を測定することができるのです。
――これまでは、そういったデータの集計・分析は難しかったのでしょうか。
阪本:店前交通量くらいでしたら交通量調査を行うことでデータが取れるかもしれませんが、入店率やディスプレイの視認数などに関してデータを取るのは困難でしょう。一般的なお店ではスタッフの感覚に頼っているところがほとんどだと思います。しかし、実際にデータを取ってみると、感じていたこととぜんぜん違う結果が出ることも多いのです。
SCORERの良さは導入しやすい費用感と汎用性が高いこと
――そんなesasyの映像解析部分を担っているのがSCORERというわけですね。どんなところがSCORERの良さだと思われますか。
阪本:SCORERのメリットはそのままesasyのメリットでもあります。まずひとつは、導入のしやすさです。SCORERは端末のパワーがそれほど必要なく、カメラをPCに接続する必要もありません。コンパクトなので場所も選ばず、設置作業も簡単です。そこがお客様に評価いただいている点でもあります。
もう一つは金額ですね。フューチャースタンダードさんにかなりがんばっていただいたおかげで、esasyの提供金額も抑えることができています。カメラ1台につき、月額12,800円から導入することができるのですが、他社の製品に比べて「ゼロが1個違う」と驚かれることも多いです。
もちろん、他社製品を否定しているわけではありません。esasyは汎用性やカスタマイズ性を重視しており、できることとできないことがあります。その点、他社製品は高価な分、できることも多いでしょう。
しかし、我々がお取引させていただいている小売店は、そもそもこうしたプロダクトの導入にそこまで予算をかけられません。個人店はもちろん、大手チェーンであっても各店舗の負担はできるだけ減らしたいというところが多いです。esasyとSCORERはそういったニーズに応えることができるプロダクトなのです。
――他にもSCORERならではの良さはありますか。
阪本:映像をログとして保存しないところです。SCORERにはログを保存するモードもあるのですが、esasyでは保存しないモードで提供しています。やはりお客様が映像に映ってしまうわけですから、個人情報の関係で気にされるお客様は多いですね。
esasyでは撮影した映像を端末内で処理し、解析したデータのみをサーバに送信して映像は消去しています。個人情報は取得していませんと言い切れるのは大きな強みですね。
もっとも、映像をサーバに送信せずすぐ消去することにはデメリットもあります。映像に映ったお客様の特徴点データを保持できないので、リピーター分析などができないのです。
――WebでいうところのPVとUUの違いみたいなものでしょうか。
阪本:その通りです。たとえば20代男性のAさんがディスプレイを眺めた後、一旦カメラ外に出て、再度戻ってきて再びディスプレイを眺めたとします。この場合、ディスプレイを眺めていたのはAさん一人なのですが、現状ですと20代男性二人としてカウントされるのです。それだとどうしても高度な分析ができないので、最近はお客様の方からも映像を保存してより高度な分析をしたいという声をいただいています。WebがPV主義からUUなど違う指標を取り入れだしたように、映像解析もリテラシーが向上してより高度な分析に向かいつつあるのだと思います。
――では今後は映像ログをサーバに送信するバージョンも?
阪本:そうですね。映像を保存することで高度な分析ができる新バージョンのesasyの開発も検討しています。とはいえ、コストは上がってしまいますから、従来バージョンのesasyもこれまで通り提供し続けます。
――そういったプロダクトの開発において、フューチャースタンダードの関わりをどのように評価されていますか。
阪本:相談させていただいてからご提案いただき、開発に入るまでがとにかく速くてスムーズです。良いか悪いかは別として、「まずは仕様書をください」みたいな話にはならないですね。フットワークが軽く、とても助かっています。
運営店舗が単月黒字転換するなど、映像解析の効果は着実に出ている
――SCORERとesasyで、実際にどんな効果が出ているのでしょうか。
阪本:お客様の事例でいうと、全国に1,300店舗を展開するアパレル大手のアダストリア様にご導入いただき、売上に対して少なからず貢献している、というお声をいただいています。また、当社で運営しているガーデニング・エクステリアショップ「インナチュラル」にもesasyを導入しており、こちらも単月で黒字転換するなど効果が表れています。店舗の売上に関する会議も感覚値ではなく、映像解析で得た数字をベースに話し合えるのでスムーズに進むようになりました。
――今後、SCORERの導入を検討されている企業へ向けてメッセージをお願いします。
阪本:今後、小売業界であっても店舗前の交通量や入店率、ウインドウディスプレイの視認数などマーケティングに活かせるデータを取得しないという選択肢はなくなっていくと思います。Amazonや楽天が最たる例ですが、しっかりデータをもとに分析して行動してきた企業が勝っているのです。そこにいち早く気づけるかが命運を分けるでしょう。その最初の一歩として、SCORERやesasyのように気軽に始められるプロダクトを検討していただきたいですね。
パートナー企業
映像解析AIを使ったビジネスを始めたいパートナー企業を募集していますPARTNER PROGRAM
VARパートナー(付加価値再販)
SCORER Ready等、弊社が用意しているパッケージに対して、導入コンサルティングやマーケティング企画など貴社の強みにあった付加価値をつけて再販いただくパートナー企業です。
インテーグレーションパートナー
貴社の技術力や開発力を活かし、SCORERを活用したサービスの開発や導入支援、導入後のサポート対応を行って頂くパートナー企業です。
※案件は弊社でご紹介いたします。