左:メディカルプラザ薬師西の京外観 右:設置されているAI検温パスポート
■ 背景
新型コロナウイルスの再びの感染拡大を受け、不要不急の外出を控えるように呼びかけられる中、健康診断などの定期的な検診や通院治療が必要な方々が感染リスクを恐れて、受診を控えてしまう傾向があります。
特に複合医療施設などの場合、利用者の負担にならず感染拡大を防ぎ、安心して受診してもらえる環境づくりが必要になることから、新たに “AI検温パスポート”を導入した医療施設「メディカルプラザ薬師西の京」に利用法について伺いました。
【メディカルプラザ薬師西の京】
地域包括ケアを担う、地域連携の要となる中核病院「医療法人 康仁会 西の京病院」に隣接する医療施設で、「PETがん総合検診」「人間ドック」「プラザ透析センター」「歯科」など専門性の高い医療を提供している施設。
レストランも併設されています。
*1日の来館者数:150〜200名
* 検温率:100%
* AI検温パスポート台数:2台
* 設置場所:表玄関、裏玄関に各1台ずつ
*1日の配置スタッフ人数:なし、完全無人化
掲示物
− 新型コロナウイルス対策について教えてください。
スタッフの出勤前の検温、マスクの着用、定期的な消毒・換気。館内への出入りの際に手指の消毒、待合での間隔の確保等 アクリル板の設置、ロスナイ※の設置、空気清浄機、オゾン発生機の設置などを行っています。
※換気扇・換気空清機
− 新型コロナウイルス対策で一番困ったことを教えてください。
感染のリスクを恐れて敬遠されがちな医療施設に“どうやったら安心して来館してもらえるか?”と考え、有効な感染対策に頭を悩ませました。
− “AI検温パスポート”導入前の検温体制や課題について教えてください。
健診センターや透析センター、歯科など各受付にて検温を実施していました。そのため、各受付に検温のためのスタッフの配置が必要であったことが課題で、対策が必要でした。
− “AI検温パスポート“導入の目的を教えてください。
出入り口の閉鎖や利用者の動線を変えることなく、検温の完全無人化が目的で導入し、実際に可能になりました。無人化することで、スタッフの業務軽減ができ本当に良かったです。
− “AI検温パスポート“の利用方法について教えてください。
表玄関と裏玄関の2箇所の出入り口に一台ずつ設置しています。入館する際に検温しプリントアウトされた結果を持ち歩き、各受付で提示していただきます。検温からプリントアウトまで非常に早くスムースなので、スタッフからも来院者からも「手動検温よりも楽」というご意見をいただいています。
− 検温の完全無人化で検温率を上げる工夫を教えてください。
導入当初は検温されずに入館される方も多くいましたが、事前の連絡と繰り返しの来館で今は100%の方が検温を実施しています。スタッフを配置していないため説明が必要で、掲示物については試行錯誤して現在の表示に至っています。また、カメラの高さによっては、車椅子の来館者の方への工夫が必要だと感じています。
■「AI検温パスポート」について
映像解析AIプラットフォーム「SCORER(スコアラー)」を活用し、サーマルカメラで撮影した画像と検温結果をプリントアウトできるサービスです。顔認証AI技術により事前に登録した従業員等の本人確認も可能です。
「AI検温パスポート」を活用することで、従来サーマルカメラ周辺やWebサイトで確認していた検温結果を検温した本人が持ち歩き提示することが可能になり、何度も検温する手間を省くことが出来ます。活用シーンとして、複数の入口があり各店舗で検温を実施している商業施設、入口にスタッフ配置が難しいライブハウスやWeb環境の持ち込みが難しい建設現場等、出入りが激しく煩雑になりやすい場所で有効性を発揮します。
《各種助成金に対応》
新型コロナ対策の各種助成金を利用頂ける可能性があります。
・新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業
・小規模事業者持続化補助金
・宿泊施設基本的ストレスフリー環境整備事業業